2012年度開講「インテリジェンス入門」

※参加ご希望の方は、cubic.argument@gmail.comまでお問い合わせください。
[コンセプト]
 世界情勢を理解する上でインテリジェンスリテラシーは必要不可欠なものである。経済というファクターを考慮に入れず国際情勢を語ることが不可能であるとの同じように、インテリジェンスというファクターを考慮に入れず国際情勢を理解する事はできない。
国策の決定や国際交渉において、インテリジェンスの果たす役割は大きい。インテリジェンスがきちんと出来ているかどうかは国民、国家の安全を大きく左右する。

世界の国々ではたとえ口に出す事はなくとも背後にインテリジェンスに関わる動きがあると考え、活動や研究を行っている。しかしこの我が国においては、政治学者やジャーナリストにインテリジェンスへの見識を欠いた者が散見され、あまつさえ国家の運営に直接携わっている政治家や官僚の幾人かがインテリジェンスに関する「暗黙の了解」を欠いたまま活動や研究を行っている。国を支える者がインテリジェンスリテラシーを欠くことによる国益の損失は計り知れない。
これからの日本を担っていく我々若い世代が世界の常識である「インテリジェンスリテラシー」を身に付ける事は須要なことである。しかし日本においてインテリジェンスを学ぶ事は非常に困難である。というのも、我が国においてはそもそもインテリジェンスが「存在しない」とされてきたからだ。研究者をみると相応のレベルの研究がなされているとはいえ、学生を対象にした講義はほとんどなされていないといっていい。一方、欧米においては多くの大学でインテリジェンス講義の科目が用意され、専攻が設置されている。
そこで、学生がインテリジェンスを学ぶ機会を作るため、NPO法人DRC(ディフェンスリサーチセンター)様の全面的なご支援を頂き、「インテリジェンス講座」を開講することにした。

「インテリジェンス講座」は5月の第1回講座から11月まで計6回の講座を行っていく予定である。前半はインテリジェンスの基礎事項を学び、後半からはソクラテス・メソッドを用いて、事例の演習を行っていく。6回を通してインテリジェンスについての基礎的な事項を理解し、更には【計画、目標設置→情報収集→情報処理→分析、集約→報告、作成】という五段階のインテリジェンスサイクルの担い手となる実践知を身につけることが期待される。
これからの日本を考えるに、我々若者は国の存立や国益に大きく関わる課題であるインテリジェンスについて知識を広め、深めていくことは極めて重要なことである。今回講座を担当されるDRCにはインテリジェンスに直接携わった方や詳しい方が多く在籍されている。講義の質は相応のものが準備されている。

DRCの上田理事長からは「未来を支える若者のためなら」ということで、講座開講を快諾していただいている。第2回目以降も受講される方々には、DRCの皆様の期待に応えるためにも、生半可な気持ちで本講座を受講することは望まれない。覚悟をもって本講座を受けて頂きたい。

ディフェンスリサーチセンター ウェブサイト :http://www.drc-jpn.org/

Cubic Argument インテリジェンス講座 幹事 古田 潤(早稲田大学)

Cubic Argument 代表 大江 弘之(東京大学大学院)

 

[各回案内]
 回数・日時 内容(テーマ)

 第1回
5月21日(月)
18:30~21:00

●インテリジェンス講座の紹介
・内容概説
・InformationとIntelligenceの違い
・インテリジェンスの意義

 第2回
6月20日(水)
18:00~20:30

 ●インテリジェンス実学入門
・日本の現実、戦後の弊害からの脱却
・対象区分(国家、会社、個人;戦略、戦術)
・情報内容、活動、組織

第3回
7月11日(水)
18:00~20:30

●インテリジェンスサイクル

第4回
8月22日(水)
18:00~20:30

●インテリジェンス総合化の課題

第5回
9月21日(金)
18:00~20:30

●インテリジェンス成果の要約実践

第6回
10月24日(水)18:00~20:30

●インテリジェンス(諜報)とカウンターインテリジェンス(防諜)

公開勉強会(発表会)
12月19日(水)18:00~20:30

●我が国の情報政策(詳細はコチラ)